
アダムとエヴァの結婚「ユダヤ古代史」仏訳本より
ヨセフスの「ユダヤ古代史」の写本はベリー公の注文で制作が始められた。本文が書写され、挿絵3枚が制作された時点で中断、ベリー公の没後、相続で公の孫パルディアック伯を経て曽孫ヌムール公ジャック・ダルマニャックに渡った。その後フーケによって、上下2巻のうち上巻の残り11枚と下巻の1枚の挿絵が加えられた。
1476年にヌムール公が反逆罪で逮捕され、後のブルボン公ピエールの手に渡ったときに、公の秘書が奥書にベリー公ジャンの写本装飾画家とルイ11世の画家・写本装飾画家フーケによる挿絵が付されていることを記している。
右図は古代史の冒頭、創世記の挿絵。パルディアック伯によってこの第一巻の口絵がつけられた。
ヨセフスのユダヤ古代史が創世記から始まっているので、アダムとエヴァの結婚が選ばれた。エデンの園で神がアダムとエヴァの右手を重ねて結婚の司式を行っている。エデンの園から4つの川が流れ出て、とされているのだがよく解らない。(5、両側の塔からのを外すと3) アダムとエヴァの結婚は聖書にもヨセフスにも明示されていない。13世紀の教訓化聖書に現れ、14〜15世紀の創世記図像に採用されている例もあるという。
上半部には黄道12宮帯、最上部にはコンパスを持った神、その左右には石工の道具を持つ天使が配されて天地創造の6日間の御業が示されている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1420年代
アダムとエヴァの結婚
ヨセフス作「ユダヤ古代史」仏訳本より
1420年頃 写本装飾 43×28.5cm
パリ 国立図書館
1476年にヌムール公が反逆罪で逮捕され、後のブルボン公ピエールの手に渡ったときに、公の秘書が奥書にベリー公ジャンの写本装飾画家とルイ11世の画家・写本装飾画家フーケによる挿絵が付されていることを記している。
右図は古代史の冒頭、創世記の挿絵。パルディアック伯によってこの第一巻の口絵がつけられた。
ヨセフスのユダヤ古代史が創世記から始まっているので、アダムとエヴァの結婚が選ばれた。エデンの園で神がアダムとエヴァの右手を重ねて結婚の司式を行っている。エデンの園から4つの川が流れ出て、とされているのだがよく解らない。(5、両側の塔からのを外すと3) アダムとエヴァの結婚は聖書にもヨセフスにも明示されていない。13世紀の教訓化聖書に現れ、14〜15世紀の創世記図像に採用されている例もあるという。
上半部には黄道12宮帯、最上部にはコンパスを持った神、その左右には石工の道具を持つ天使が配されて天地創造の6日間の御業が示されている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1420年代
ヨセフス作「ユダヤ古代史」仏訳本より
1420年頃 写本装飾 43×28.5cm
パリ 国立図書館
